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◆宅建業免許申請手続き◆

はじめに

 宅建業を営むためには免許が必要だとは分かっていても、いったいどういった手順で申請手続きを行えばよいのか分からないという方は多いのではないでしょうか?
 宅建業の免許申請、営業保証金の供託、保証協会への入会手続きなど手続きの流れを把握していないとかなりの時間を要することになります。時間を費やして書類を用意したはずなのに書類が足りない、書類は完ぺきに用意できたが肝心の免許要件を満たしていなかったなど効率よく宅建業の免許の申請を終えるのは難しいものです。
 ここでは宅建業の免許をスムーズに受けるための情報を提供しています。「宅建業を始めたい」「宅建業の免許の申請手続きの手順が分からない」という方はぜひ参考にしてみてください。

宅建業(宅地建物取引業)とは

 宅建業とはつぎのいずれかあるいは両方に該当するものです。

◇宅地または建物について自ら売買または交換することを業として行うこと
◇宅地または建物について他人が売買、交換または貸借するにつき、その代理もしくは媒介をすることを業として行うこと

 簡単にいえば、知人や友人これらの多数の者に対して他人の物件を売買、交換、媒介するには宅建業の免許がなければできないということです。(※自己の物件の貸借、マンションの管理は宅地建物取引業とはなりません。)例としては、不動産仲介業、住宅販売業などです。

 ※宅建業の免許を受けずに宅建業を営み、または、宅建業を営む表示、広告をする行為は禁止されています。これに反すると懲役刑・罰金刑に処されることがあります。

宅建業の許可の区分

 宅建業の免許は以下のように、事務所の設置区域によって国土交通大臣免許と都道府県知事免許に区分されています。

◇国土交通大臣免許…2以上の都道府県の区域において事務所を設置して宅建業を営もうとする場合
◇都道府県知事免許…1つの都道府県の区域内において事務所を設置して宅建業を営もうとする場合

 例として、東京都に本店があって、支店がない場合には都道府県知事免許で営業が可能ですが、東京の本店のほか大阪、福岡にも支店があるといった場合には国土交通大臣免許が必要になるということです。もう一つ、東京に本店があって東京都内にのみ支店がある場合はどうでしょうか?この場合は、都道府県知事免許で営業が可能です。
 許可の区分は事務所の設置区域のみによるものなので、都道府県知事免許であっても他の都道府県の物件を扱うことができます。

 ※宅建業の免許は個人でも法人でも受けることができます。ただし、個人して宅建業の免許を受けていたものが、その後宅建業を営む目的で法人を設立し、その個人が法人の代表者として業務を行う場合には、新たに法人として宅建業の免許を申請する必要があります。個人と法人は個別独立のものですから、個人の免許を法人が引き継ぐことなできないのです。

宅建業の免許申請の流れ

 以下は宅建業の免許申請のおおまかな流れです。

①申請書類+添付書類の作成

②申請書類等の提出(免許手数料…大臣免許9万円、知事免許3万3千円が必要)

③申請受理後審査

④免許の通知(申請者の事務所本店地あてに通知)

⑤営業保証金の供託(もしくは保証協会への加入)

⑥営業保証金供託済届出(保証協会加入の場合は保証協会加入済届出)

⑦免許証の交付

⑧営業開始

申請書類の作成

 宅建業の免許申請に必要な申請書類等は以下のとおりです。

・免許申請書
・相談役・株主等の名簿(法人のみ)
・身分証明書
・登記されていないことの証明書
・代表者の住民票(個人のみ)
・略歴書
・専任の取引主任者設置証明書
・従業員名簿
・専任の取引主任者の顔写真添付用紙(大臣許可の場合は、専任の取引主任者の主任者証の写し)
・商業登記簿謄本(法人のみ)
・業務経歴書
・決算書(法人のみ)
・資産に関する調書(個人のみ)
・納税証明書
・誓約書
・事務所の使用権原に関する書面
・事務所の案内図
・事務所の写真

 申請書類等の提出先は東京都では都庁の不動産業課の免許係です。国土交通大臣免許の場合でも事務所の本店が東京都内にあるのならば、宅建業の免許申請書の受付は都道府県知事を経由して行うので同じです。

 ※身分証明書、登記されていないことの証明書、略歴書は免許申請者だけではなく、役員、使用人、専任の取引主任者、相談役、顧問全員分のものが必要です。

免許申請受理後の審査

 免許申請受理後の審査では、宅建業の免許を受けるための必要な要件を審査します。ここで行われる審査は、宅建業の免許申請者に対して免許を与えてもよいか否かを判断する重要な審査です。宅建業の免許を受けるための要件は、以下のⅠ~Ⅲの3つの要件をすべて満たさなければなりません。

Ⅰ,欠格事由に該当しないこと
Ⅱ,事務所についての要件を満たすこと
Ⅲ,常勤である専任の取引主任者がいること

営業保証金の供託または保証協会への加入

 免許の通知を受けたら、営業保証金の供託または保証協会への加入の手続きを行いましょう。これらの制度はともに宅建業の取引に関して発生する損害に備えるための制度です。

◇営業保証金制度……宅建業取引によって発生する恐れのある損害に備え、一定金額(本店・1000万円、支店・事務所ごとに500万円)を主たる事務所の所在地を管轄する供託所(法務局)に供託する制度
◇保証協会制度………営業保証金の100分の6の額を保証協会に納付することで事業を開始できる制度

営業保証金の供託または保証協会への加入から、営業保証金供託済届出または保証協会加入済届出までの手続きは免許日から3カ月以内にすべて完了する必要があります。期間内に手続きがなされない場合には免許取り消しになることがあります。

免許証の交付

 営業保証金等を納付した証明書を提示の上、担当の役所(不動産業課免許係)で免許証を受け取ります。(※営業保証金を供託するか、または保証協会に分担金を納めるかのどちらかをしなければ免許証を受け取り営業を開始することはできません。)
 これでようやく営業を開始することができます。

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